Athrun×Kira ParallelStory*

□brilliant〜無邪気な天使〜
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『今日さ、僕ん家でパーティーするんだ!だから、アスランもおいでよ!』

電話口でキラは唐突にそれだけ告げると、返事も聞かない内に、あっという間に電話を切ってしまう。

いつものことだけど、なんでこうキラは自分勝手なんだか...。
だが、そこも含めて可愛いと思ってしまう自分は、もう末期としかいいようがない。

アスランは一つ溜息を吐くと、受話器を静かに置いた。


しかし、急にパーティーだなんて何事だろう。昨日の学校帰りにも、そんな話題は出なかったし、他にこれといったイベントも思い出せない。
アスランは首を傾げながらも、今日は学校が休みで特に予定も無いので行ってみることにした。

何より、可愛い幼なじみのお誘いを無下には出来ないのだから。



-ピンポーン♪
『はい』
「こんにちは、アスランですが...」
『あら!アスラン君、どうぞ入って』

キラの母、カリダはニコニコ微笑みながら、アスランを奥の和室へと案内する。

いつもならキラの部屋に通されるのに...。不思議に思いながらも足を踏み入れた。

「アスラン?!」
「...カガリ?」

そこに居たのはキラではなく、双子の姉のカガリだった。しかも、いつも男っぽい格好を好む彼女からは想像もできないような姿に、アスランは唖然とする。

何故なら、カガリは朱色の布地に大振りな花模様が刺繍された、鮮やかな振り袖を着ていたから。更には、その後ろに豪華な雛壇に並んだ人形が飾られている。


(あ、そうか...)

漸くアスランは今日が女の子の節句、ひな祭りだと認識した。


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