Athrun×Kira LoveStory*

□Everlasting
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「あんなアスランの顔、久しぶりに見たな〜」

「キラも嬉しそうですわ」


オーブ、プラントの姫君たちは、海の見えるテラスでお茶を楽しみながら、浜辺で寄り添う二人の青年を眺めている。

オーブ軍、ザフト軍のそれぞれ規定の堅苦しい軍服を身に纏っているにも関わらず、彼ら二人の間に流れる空気は甘く濃密だった。


「眼福って、あいつらのことだよな〜」

「本当に。お二人ともお綺麗ですものね」

「男同士だってのに全然、違和感ないもんな」

「お似合いですわ」

彼女たちの会話の中心は専らアスランとキラで。視線もずっと二人に向かいっぱなしだった。

だから気づけた。
キラが見せた可愛らしい小さな仕草に。

「ラクスッ!見ろ!」

「まぁ!」



ふいに寄り添っていたキラの手が、アスランの上着の裾を掴んだかと思うと、ツイと引っ張ったのだ。

「なんて可愛いのでしょう」

「我が弟ながら、やってくれる...」

ラクスは、ほうっと感嘆の息を漏らし、カガリも微笑ましく見守る。

さらにツイツイと引っ張るキラにアスランは柔らかい笑みを向けると、そっと腰を抱き寄せた。
そうして、ちらりと窺いを立てるように姫たちがいるテラスに視線を向けてきた。


「あー...あれはどういう意味だろうか、ラクス。考えたくもないんだが...」

「きっと、そういう意味なんですわ」

「別に私の了承を得なくてもいいのになぁ」

「アスランにとって、カガリさんは大事なお義姉さまになる方ですから」

「うわ、ラクス。それを言わないでくれ」

うふふ、と笑うラクスに苦笑いを返すとカガリは席を立ち、テラスから室内へと入っていく。

「あら?カガリさん、見届けなくて宜しいのですか?」

「〜っ!そんなの出来る訳っ...、それにキラが恥ずかしがるだろっ!」

耳まで赤くしたカガリが逃げるようにその場を後にする。


「ふふっ、キラはとても良いお姉様をお持ちになりましたわね」

『ハロッ!』

「わかっていますわ、ピンクちゃん。お二人の邪魔はできないですものね」

『ハロハロ〜』

ラクスはハロを両手に抱えると、一度だけ振り返る。

そこには穏やかな海を背景に、口づけを交わす恋人たちが居た。



***

「やはり、お二人を離すべきではないですわね..カガリさん」

「ああ、それは私も思う。だって、あいつらあんなに...」


――”幸せそう”


幸せの定義なんて、人それぞれだけど。

それでも、二人には寄り添っていて欲しいから...。

彼女たちの意見は一致し、今度はその為に行動する。

「よしっ!オーブの方は私に任せてくれ」

「では、ザフトは私にお任せください」


ただ、二人の幸せと安寧を願って...。


end.2008.7.17
 

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