宝物@

□カナリア
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『鳥って、狭いとこ嫌なの…』
『嫌だろ、普通は。もっと広い空を飛びたいに決まってんだろ』

と蛮ちゃんは言った。
けど、俺はそうは思わない。
籠の中で暮らす方が良いに決まっている。
危険な目にも遭わないから…。
だから、俺は……決めたんだ…。
カナリアを外に出さないと……。


『ねぇ、蛮ちゃん…』
『ん?』
『何処にも行かないよね…』
『えっ?あっ、……銀次に言ってなかっけか…』
『何を…』
『ん。実はな、今日の夜から家空けるんだわ…』
『な…何で…』
『何でって、まぁ、ババァの手伝いにな…。で、その間な…』

と蛮ちゃんが言い掛けていたが、俺は反射的に蛮ちゃんの腕を掴んでいた
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