宝物@

□鳴り止まぬ雷鳴
1ページ/3ページ

姿を見せたかと思えば、あっと言う間に空を覆い尽くし、雷雨を轟かせるように、奴の出現はいつも唐突で逼迫している。

「あっ…、や…ぁ……らいてっ…。」

理性を根刮ぎ奪うような濃密なキス。
荒々しく舌が口内を駆け回わり、戸惑う俺の舌に絡んでは、吸い上げられる。
息を吸うのも間々ならず、頭が酸欠に陥ってクラクラした。
一歩後退したら、フェンスがガシャリと揺れる。

今は潰れた会社の駐車場跡を取り囲むサビが浮き出たそれに押し付けられ、性急にTシャツが捲られた。

「…ん、ふっ……ぁ……っ。」

湿気の孕んだ空気を纏わせ、腹部の割れ目に沿って熱い手が這い登ってきた。

人通りが少ないとはいえ、誰も来ないとは限らない。なのに、俺は拒めなかった。
むしろ、もっとと願っている。

「あっ…ぁ……んっ…ぁ……。」

這い登ってきた手が目的地に辿り着き、クルリと周囲をなぞって、眠っていたソレを起こす。
ふくりと身を起こしたソコに、二本の指が新たな刺激を加えた。摘み上げ、強弱を付けて軽く揉み始めたのだ。

「ぁあ……っ……ぅ……んんっ……。」

どうしようもなく感じてしまう部分を攻められ、声が上がるのを押さえられなかった。
雷帝は捲り上げたTシャツの下に潜り込むように頭を突っ込み、もう片方の突起に近づいた。

「雷帝…?」

熱い息がソコを擽るように間近に迫っているというのに、雷帝はピタリと動きを止めた。

「ここ…。」

ポツリと呟いて、愛撫していた指が左の鎖骨下に触れた。

「痕…ついてる。銀次か?」
「ったく、アイツ。痕はつけんなって言ってんのに。」

自嘲の笑いを零した刹那、フェンスは派手な音と共に大きく揺れた。
乱暴に抱きすくめながらフェンスに押さえつけられ、右手がジーパンに潜り込む。
耳朶を甘え食いされるように噛まれ、軽い口付けと舌先が耳朶から項にかけての緩やかなラインを何度も攻め立てる。
弱点とも言えるソコは、与えられる刺激が、すぐに快楽にすり替えられてしまうのだ。
疼いて震える下腹部に潜り込んだ手は、まだ僅かな兆ししか見せていない俺自身を握り込み、否応なく高みへと登らせていった。

「待っ……雷帝っ……ぁ…う……っ…あっ……。」

引き離そうと肩に掛けた手も捕らえられ、フェンスへ縫い止められた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ