宝物@

□サディスト・マゾヒスト
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*前編*

「蛮ちゃん…。凄くキレイ。よく似合ってるよ。」
「……っ。はっ、ァ……銀次っ。」

妖しげな空気を纏った、ロウソクの灯りが揺らめく無限城のとある一室。
恍惚とした表情をした銀次の、その眼差しの先にいるのは、もちろん…蛮だ。

真紅のロープが、蛮の自由を奪っていた。
流れるようなラインは、計算された道筋を通り、白い素肌に僅かに食い込みながら、亀の甲羅に似た模様を描く。
ゴワつくロープの感触に、痛みはそれ程ないが、白い素肌に艶やかに浮かぶ真紅が妖しく、自由を奪われている事実が、精神的に蛮を追い詰めた。

「頼…む……。せめて、ここから…っ、降ろしてくれ。」

目隠しまでされている為、気配だけで位置を探り、蛮は懇願した。

蛮が乗せられているのは、三角木馬と言われているものだ。
まるで大きくした三角柱の積み木で作ったようなソレの、三角形の頂点を跨ぐ形で蛮はいた。

クスっと、銀次が笑う。

「どうして?それも蛮ちゃんへのプレゼントなのに。」


蛮の誕生日プレゼントを用意したからと、銀次は蛮を呼び出したのだ。
そして、用意されていたのは、数々のSMの道具。
呆気に取られているうちに、電撃で気絶させられ、気が付いた時には木馬の上に縛り上げられて乗っていたのだ。


「こんな…の、いらな……っ」
「そうかな?結構、気に入って貰えたと思ったけどなぁ。ほら?」

そう言って、銀次が手元のスイッチを操作すると、蛮の唇が戦慄き、悲痛が鳴り響いた。

「ヒィ…いっ……あ、ァ………っ」

ナカに事前に埋めてあった遠隔操作出来るバイブが動き出す。
それは、ちょうど木馬の尖まった先端に当たり、ただナカで震えるよりも強烈な振動を蛮にもたらした。

「アァ……やっ、銀次っ……はぅ…あっ」

震えたバイブが木馬に当たって弾かれ、思わぬ動きで蛮を攻める。
過敏な肉壁を押し付けるように震え、溢れ出る快楽に体は身悶えるばかりだ。
どうにか快楽を和らげようにも、足枷によって木馬に繋がれている状態ではどうにもならない。

「あっ、アァ……ッ……ふぁ、あっ……ン」

ビクッと弾かれたように浮きかけた腰を、銀次は絶妙なタイミングで押さえ付けた。
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