ボツ集
□壊れた音、壊れない青
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―リン、レン。
―お前達が来る前にな、うちには1人、ボーカロイドが居たんだ。
―いわばお前らの兄ちゃんだな。
―あいつは俺がまだ駆け出しの時にうちに来た、我が家で最初のボーカロイドだった。
―当時俺は曲を創るセンスなんて微塵もなくて、やっと出来たと思ってもリズムも旋律もぼろぼろの曲しか出来なかった…
―それでも、あいつは嫌な顔ひとつせずにそれを歌ってくれた…伸びのある、綺麗な歌声で…
―俺は、あいつの声が大好きだったんだ…
―大好きだった……それなのに……
―なのに、なのに俺はっ……