人類最弱、転生しました
□field 1-3
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転んだ子は綺麗な橙色の髪をした男の子だった。
「大丈夫?」
「うん、へいき」
男の子はそう言って一人で立ち上がったが、膝からじんわりと血が流れてきて見るからに痛そうだ。
「保健室まで一緒に行こうか?」
「……ありがと、ひとりでいけるよ!」
そう言って男の子は一人で歩いていってしまった。……痛くないのかなぁ。
「あ、壱様っ!」
そう思ってたら恵美ちゃんが抱きついてきた。
「どうしたんだい、恵美ちゃん」
「いえ。壱様がぼぉっとしてるみたいだから、抱きついてみました」
そんな理由でいいのだろうか。
「ところで、なんでぼぉっとしてたんですか?」
「いや、名前を聞き忘れたなぁって」
「転んだ男の子の名前ですか?」
「うん」
「あの子の名前は――
――封宮京(フウミヤ ミヤコ)って言います」