太陽はハカイがお好き
□stage 1-2
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目を覚ますと、時計が目にはいった。
表示してるのは、午前九時。
完全なる遅刻だ。
何時もの「円堂守」なら騒ぐだろうが、何故か騒ぐ気にならない。
腕が重く感じて動かせない。
いや、実際は動かせるのだろう。
ただ、このけだるさが邪魔してるに違いない。
そう、思い込んだ。
「守、入るわよ」
母さんの声が、ドアの向こうから聞こえる。
「……うん」
自分でも驚く程か弱い声を出すと、母さんが入ってきた。
母さんの方を見ると、目が哀れんでいた。何故?
「守、よく聞いてちょうだい」
ベットに腰掛けると、母さんが何時もつけているブレスレットを外し、オレの手首にはめる。
カチリと音がなったとき、けだるさが軽くなった気がした。
そして、母さんが口を開く。
「…ごめんなさい」
何に謝っているのか、オレはわからなかった。
ただ、ブレスレットに残っていた温もりを感じていた。