人類最弱、転生しました
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ポツリポツリと雨が降り始める頃この僕、戯言使いは違和感を感じた。
と言っても周りには誰もいない。
だから、違和感を感じる筈ないのだ。
――それはまるで、自分が傷つけられているようで。
バン! と扉を開けたのは、血だらけの僕の鏡。
「なっ! どうしたんだい、零崎」
ボロボロの零崎に問う。
対して零崎はまるで、諦めたかの様に僕に言う。
「逃げろ、欠陥製品。
全てを捨ててでも……」
零崎の言葉は最後まで聞けなかった。
その代わり「《人類最弱》、戯言使い見ぃつけたっ!」という、合成音が聞こえた。
ぐしゃりと意識を潰される。
珍しく零崎の焦った顔が見える。
それは何に対しての焦りかは、わからない。
最後の気力と意識を振り絞って考える。
――これから、どうなるんだ……?