桜の花弁
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ご飯を一口、口に入れる
「美味しい…!」
今の時代の炊飯器とかで炊いたんじゃなくて、釜で炊いたからこそのご飯の味が出ていて凄く美味しい。
その私の一言を聞いて左之さんや平助くんが微笑む。
「だろー!?そう言ってくれたなら、新八っつぁんから飯を守った甲斐があるよ」
「まだこの時代に来て1日も経ってねぇのに、夕季はもう馴染んでるように見えるな」
「え?そうですかね?…着物とか全然着ないので、歩き方とか変だと思うんですけど…」
「転びそうになったら俺が支えてやるよ。それにその着物、似合ってるぜ」
「あ…ありがとうございます!」
「まぁた左之はそうやって、女を虜にするんだよなぁ」
「新八さん不器用だから、そんなこと言えないよね」
「なっ!総司だって女にそんなこと言えねえだろ!?」
「僕は言えないんじゃなくて言わないだけだよ」
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――もう土方さんとかは仕事のため席を外して、残った人たちで賑わってる中、一人だけ離れてお茶を呑んでいる斎藤さん。
彼とはあまり話していないと思った私は、話の内容に彼を巻き込んだ。
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