嘘吐きな恋
□第一話
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「キャーっ!!仁王くんよっ」
「やだっ、かっこいい//」
「ねえ今こっち見た!?」
ー・・・放課後。
帰宅部以外は部活動をやっているであろうこの時間に響く黄色い叫び声。
正直キャーキャー煩い。
私は帰宅部だから、帰る途中。
なんでこんなに煩い声が聞こえるのかというと・・・
「何嫌そうな顔しとんじゃ」
仁王が隣にいるから。
ってか嫌な顔してるのは君のせいだよ!
だいたいもう部活は始まってるハズなのになんでいるわけ?
仁王って本当よく解らない。
「・・・早く部活に行かなくていいのですか?」
いつもの"優等生"口調でそう尋ねる。
「ーそういうところ、嫌いぜよ」
・・・嫌いってなんだよ!
正しいことを言ってるまででしょうが。
「でも、早く部活に行かなければ部長さんに怒られてしまいますよ?」
「・・・ピヨ」
ピヨってなんだよ、ピヨって!
ー私がそう言うと観念したのか部活に行った仁王。
こんなことが週一には必ずある。
毎回迷惑だし外野の声煩いし。
なにがしたいのかよく解らない。
「今日は帰ったら寝よう・・・」
私は大きなため息を吐いてから、帰宅へと足を動した。
ーなんとなく、仁王の存在を気にしながら。
(さっきの"嫌い"って、)
(なんのことだったんだろう・・・)