本棚
□キミイロ
1ページ/8ページ
今は午前1時
リビングのテーブルに、今製作途中の歌の楽譜を広げて、歌詞を覚えていると
「カイくーん!」
あっ、この声はミクだわ。
ソファーに座って深夜番組を見てたカイトに抱きついて、何か嬉しそうに話してる。
カイトも満更じゃないって顔ね。
っつ!
なんでだろ?最近胸がやけに痛くなる…。
お酒の飲みすぎかしら?
…はぁっ…ちょっと量を控えよう。
「…それじゃあ、明日は11時にリビングで待ち合わせね!久しぶりのデート楽しみ!」
「ああ、そうだね。」
ちょっと考え事してた間にデートの約束をしていたみたいだ。
…明日はミクとカイトはデートか。やっぱりあの二人は仲が良いわね。
はぁっ…
『めー?ちょっといいか?』
あっ2階からマスターが呼んでる。こんな時間に起きてるなんて珍しい。
「はーい、今行きます!」
私は、まだ仲良く話している二人を尻目にリビングを離れた。
廊下までミクの楽しそうな声が聞こえる。
なんだか直ぐにその場を離れたくて、2階にあるマスターの部屋まで小走りになってしまった。