赤い糸
□7つの盗品
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『はぁっ...、よっと』
街はずれで彼は鉤縄を使い壁を登っていた
雛太はいつものように起き、いつものように修行をしていた
そう、いつも通りに....
―――ズドドド。ピカッ!
『うわっ!!』
いきなり強い光が落ちたと思えば、街全体を包み込んで行く
頭が痛くなり、目が眩むほどの強烈な光
『う..、くっ....』
雛太は眩しさに耐えられずその場に倒れ込んだ
意識が遠のく..、暗い、闇に閉じ込められているようだ
助けて、苦しい、痛い、寒い
遠くで悲鳴が聞こえる
『(なんだ、此処は...。凄く、狭い)』
宇宙のように無限に終わりは無いような闇
しかしそれよりも。痛いほど狭い
『(夢...、なのか?)』
だが意識はハッキリしている。
さっきまで遠くから聞こえた悲鳴が、いつの間にか歓喜に変わっていた