霞の向こうの話
□―Repeat―
3ページ/9ページ
「…うーーん、確かこの辺りに入れたと思うんだけど……」
さらに奥へと手をのばし、ガサガサと机の中を探る。
「…………あっ!あった!あったよ新八っつぁんっ!」
そう言い、プリントを片手に顔をあげた俺と新八っつぁんの目が合った。
新八っつぁんは、俺の机の上に片肘をつき、その上に顎をのせていた。
その新八っつぁんの顔は夕日に照らされ、半分オレンジ色に染まっている。
そのまま上目遣いで俺を見あげてくる新八っつぁん。
…う゛。そんな上目遣いとかやめて欲しいんだけど。
……俺、心臓もたないじゃん。
俺の気持ちを知ってか知らずか、さらに新八っつぁんは俺の顔を凝視してくる。
そして
「ねぇ、平助」
と俺の目を見つめたまま言った。
「な、何…?」
あーー多分、俺の顔真っ赤だろうな。
「俺ら……付き合おっか?」
………………えっ……………?
………い、いま………新八っつぁんはなんて………?
.