霞の向こうの話

□星との逢瀬
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「今年は晴れたネェ…」


夜空の幾千の星々を仰ぎながら新八はつぶやく。


…しょうがネェから逢いに来てやったヨ…


…なぁ、どんなことをしても逢いにくるってお前が言ったんデショ?



星はあの日よりも静かに瞬いている――
突然、その中の一つがきらっと瞬いた。



――しんぱっつぁん



……ばーか遅ぇよ。だから、お前に格好はつけられないんだっつーの…。

頬をつたい雫がひとつきらっと光って手の甲に落ちる。
…まぁ、俺も人のこと言えないけどネ…








――…しんぱっつぁん。遅くなってごめんね?…でも、これだけはしんぱっつぁんに伝えたくて…。俺は…しんぱっつぁんのことずっとずっと大好きだからね。これだけは永遠に変わらないから…――



ばーか。“俺も”なんて言ってやんねーヨ。



再び、新八は夜空の星々を仰いだ。そして



その答えは今度聞かせてやる。だから、それまで待っとけヨ?



「…じゃ、また来年来るヨ。平助」



――幾千の星々に向かってそう告げれば、その中の一つが先程と同じように再びきらっと瞬いた――





―fin―
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