霞の向こうの話
□星との逢瀬
2ページ/5ページ
「…平助。それもしかして、俺が織姫前提で言ってる?」
「…えっ?それは、当然でしょ!」
「…ばーかっ!!誰が織姫だヨ。どっちかと言うと織姫はお前だろーがっ!」
「…ちょっ、しんぱっつぁんひどいよ〜!!せっかく俺が格好良く決めたのに〜〜っ!!」
「…ばーかっ!似合わないってンの!!…だいたいね。大人しく一年に一度の逢瀬を待ってるってたまじゃないわけ、俺も」
「…えっ?」
「…逢いたいなら逢いたいで自分でどうにかするっつーのっ!だから、お前の気遣いなんてすべて無駄なわけ。分かった?」
新八の言葉は平助の言葉を台無しにしてしまうようなものだったが、それでも、平助にも新八の言いたいことはなんとなく分かった。
…つまり、一方的に待っているだけでなく、その前に自分も出来る限り逢うための努力はすると言うことだろう。
「…そうだよねっ!二人でお互い逢いに行った方が早く逢えるかもだもんねっ!!」
「まだ、その相手がお前だとは言ってないけどネ…」
「…え〜〜っ!?」
.