霞の向こうの話

□恋する乙女、返り討ち
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「平助、今日ホワイトデーだよネ?」


「そうだけど。…な、なに?」


どこか怪しい笑みをたたえ、じりじりと近付いてくる新八に不穏な空気を感じとり思わず退く平助。そのまま壁際までおいやられる。


「平助、バレンタイン、チョコくれたよネェ?だから、お返ししてやるヨ」


そう言うとそのまま平助を壁におさえつけ、平助に顔を近付けていく新八。
口付けされるっと思わずぎゅっと目を瞑った平助だったが…


「痛っ…」


首もとにじわりとした痛みが広がった。
後に平助の首もとに残ったのは赤い跡。


「〜〜〜っ//」


その意味を理解し、赤面する平助。


「…平助、確か五つチョコくれたよネェ?じゃあ、その分跡つけてやるヨ」


にやりと笑うと新八は再び平助の首もとに顔をうずめる。


「…ちょ、ちょっとしんぱっつぁんっ!!//」


「…何ヨ、お返しデショ?」


そう言っている間も平助に跡を残していく新八。


「…ちょ、ちょっとまっ//」


一つずつ増えていく赤い跡。
しかし、後一つ…というところで、ぴたりっと新八の動作がとまった。



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