さようなら人魚姫、さようなら(左受)
※人魚姫パロ(続き)
「ヘヘェらふいほはっららひひちゅたいひな(※テメェら食い終わったら自室待機な)」もぐもぐ
「何故だ?」もぐもぐ
「ははった(※分かった)」もぐもぐ
「全員食い終わってから話せ。つか、なんでそれで通じ合えてんだよ」
食事を終えた二人が廊下に出ると、御飯も食べずに待ち構えてた魔女たちと出くわしました。
手下に至っては空腹のあまり不機嫌モード全開です。
「おっせーよ!!君たちには人の痛みが分からないの!?」
「す、すまない…?だが御馳走様するのが遅くなったのは左近が食べるの遅かったのと、左近が残したロールキャベツ食べるまで居残り連帯責任で」
「小学生かよ!!」
「僕らの食事中ずっとそこにいたのか…?御苦労なことだな…」
「“まさかずっとそこにいた?”みたいな顔すんな!!ああいたさ!いい匂いしたさ!お腹すいたさ!サスケだってすかした顔してるけど、さっきっから腹ぐうぐう鳴って…ぐほっ!!」
「黙ってろ水月」
ヒートアップした手下の後ろ頭を魔女がぶっ飛ばして止めました。
ボゴッという、それはそれはいい音がしました。
「さっきの返事がまだだったな、何故お前らがここにいる?」
「それはさっき僕が答えただろう」
「俺たちは左近に逢うため人間になった」
話せない人魚王子の代わりに召使が代弁します。
あまりにもさらりと告げられた事実に魔女は内心動揺しました。
なにも言わない魔女の代わりに口を開いたのは頭から血を流してる手下でした。
「明日は約束の日だよ。目的を果たせなかったそのときは……」
「分かってる」
「いや条件は変える。海亀の刑はなしだ」
魔女の突然の申し出に一同は驚きました。
相も変わらず人魚王子と召使は無表情でしたが、一応驚いてました。
三人全員の視線が魔女に集まります。
「お前らが目的を果たせなかったそのときは、左近を人魚にして海底へ連れていく」
「!」
「お前らが目的を果たせたら、俺はおとなしく海底へ帰る」
「左近を人魚に?あの太股を奪うのは許さないぞ」
「怒るポイントはそこでいいのか?これ通訳していいのか?」
「重吾、あの分からず屋に教えてやろう。左近の太股がいかに素晴らしいかを」
「通訳しなくていいか?」
なんだか人魚王子と魔女とでは根本的な主旨がずれてます。
しばらく言い争ってると、食堂の扉が開きました。
「ピーコラうるせぇと思ったら、テメェらまだいやがったのか!」
王子、登場。
手にロールキャベツが乗ったお皿とフォークを持ってます。