御伽噺1(蔵馬メイン小説)

□SS
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キラリ☆(飛蔵←幽)


「あれ?」
「ん?」

春の陽射しが暖かい日曜の午後、幽助が何かを発見して目を丸くした。
何もすることがなく一日中部屋でのんびりしようかと思った矢先、幽助の電話で呼び出された蔵馬も何事かと幽助を見る。
『桑原は試験勉強だとさ。飛影は来てるのか?』
『いや、彼はパトロールが忙しいらしくてね。一週間前に来たきりだよ。』
『ふーん・・・んじゃまぁ二人で会わねぇ?たまにはいいだろ?』
そんなこんなでオープンカフェで男二人のティータイム。
カプチーノのカップを持ったままじーっと自分を見つめる幽助に、蔵馬もピーチティーを持った状態で動きを封じられる。

「お前・・・それ、ピアス?」
「・・・あぁ、うん。」
「マジで!?お前がピアス!?なんで!?いつ!?」
「ははっ・・・そんなに似合わない?」
「いや、そうじゃなくて・・・」

蔵馬の長い髪の間から見える耳に光る真っ赤な石。
幽助の視線に気を遣った蔵馬が髪を耳にかけ、そのピアスがいっそうはっきり見えるようになる。

「キャッツアイって言うんですよ。真ん中の線が猫の目みたいでしょ?」
「あぁ・・・ってかなんでお前がピアス?」
「そんなにつっこまなくても・・・」
「あっ!あいつだろ!?飛影がくれたんだろ!?」

幽助がその名前を出すと、蔵馬は嬉しそうに笑ってピーチティーに口をつけた。
蔵馬ってこんなに幸せそうに笑うのか・・・誰かさんはすごいねぇ・・・
いつも何か秘めてるって顔のくせに・・・と幽助は困った顔で笑った。

「この前4人で出かけたでしょ?あの時にね、気に入ったらしいですよ。」
「あぁ、こないだ俺と桑原が無理矢理あいつを買い物に連れ出した時?」

『人間界の金がないとせっかくの買い物も出来やしねぇからな。』
あまりにも不機嫌な飛影にさすがに申し訳なくなって幽助と桑原がパチンコで稼いだ中から5千円を渡したのだ。
恐らくそれで買ったのだろう。 





『飛影、ピアスなんて買ったの?』
『・・・・・。』
『気に入った?』
『・・・やる。』
『え・・・でも俺ピアス開いてないよ?』
『開ける・・・俺も・・・』

そう言って飛影は一個を自分の耳に突き刺した。
強引だなぁと思ったが、確かにその程度の痛みなら普通の人間ならともかく自分達は気にならない。

『飛影が開けて?』
『・・・・・。』
『んっ・・・///』

激しい口づけを受けながら耳に一瞬痛みを感じたが、それすら気にならない程それは甘かった。

『おそろいだね。』
『・・・俺の物・・・』
『え?』
『・・・何でもない。』





俺の物に手を出すな。
赤い猫の目の石が飛影の目に見えて幽助は可笑しくなり少しカプチーノを吹き出した。

「・・・というわけだから、幽助。」
「あ?」
「ごめんねvv」

満面の笑みで謝った蔵馬に幽助は豪快な二度目のカプチーノ噴射を披露した。

「ちょっ・・・汚い!!」
「ゲホッ・・・お前が悪ぃ!面白すぎる!!」
「いいでしょ、冗談言ったって!」
「ゴホゴホッ・・・だぁ〜っ!!」

そんな可愛い顔して謝られてもたぶん手は出ちまうだろうなぁ・・・
テーブルを拭く蔵馬の耳に光る真っ赤なピアスに幽助は視線で宣戦布告した。



end.






真っ赤なキャッツアイ・・・いいよねv
赤は飛影の瞳の色だし、やっぱ蔵馬のイメージも赤かなぁと思って決めました。
飛影に言わせれば「血の色だから」とかって感じで好きそうじゃない?
この話の蔵馬は原作設定なので黒髪です。
赤だったらせっかくのピアスが引き立たなくて飛影君ご機嫌ナナメになっちゃうよ。
ってかなんでアニメはあの髪の色になったんだろう・・・
二人でピアス・・・そのうち蔵馬には薔薇のピアスとかもつけて欲しかったり。似合うよ〜☆
飛影には?
・・・オニキスとかいいね、うん。
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