御伽噺1(蔵馬メイン小説)

□千年の想い
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同時に黄泉の気が冷たくなった。
幽助や飛影も感じたようだ。
臨戦態勢とまではいかないが、周りを威嚇するかのような・・・


「蔵馬・・・」
「・・・っ!」


さっきまでの声より明らかに低い。
俺は何かしただろうか・・・
彼を怒らせるような事を・・・
黄泉が俺の頬に手を伸ばす。
それと同時に動こうとした飛影を黄泉は気で止めた。


「黄・・・泉・・・?」


声や妖気とは裏腹にその手があまりにも優しくて、正直それに戸惑った。


「あの日旅に出ていろんな所を回ったよ。
修羅と二人、国を捨て、自由を手に入れた事でいろんなものを見た。」


黄泉の指が頬を何度も滑る。
とても優しく・・・それでいて金縛りのように束縛する。

やめてくれ・・・

飛影が見てるのに・・・


動きを制されたまま、鋭い視線を向けられているのがわかる。
幽助も飛影の黄泉に対する気の変化に気づいているだろう。




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