御伽噺1(蔵馬メイン小説)
□紅い月
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「退屈そうな顔をしているな。」
「・・・ふん。」
燐火円礫刀の金属音と共に奴の鈴が小さく音をたてる。
「違うな・・・退屈というより物足りなさか。」
「何のことだ・・・」
ククッと笑いながら時雨が俺の隣に腰をおろす。
「あの男、強かったな。」
「あ?」
「あの薔薇の鞭につけられた傷がまだ痛む。
戦いの最中に冷静な判断を下しながら、それでいて常に急所を狙う。
まこと美しい残酷さだった。」
「・・・・・。」
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