薔薇の記憶(過去作品)

□過去SS
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歴史


「だいたいよぉ、昔の人間について覚えて何になるんだよってなぁ!」
「桑原君が苦手なのは歴史だけじゃないでしょ?」
「やめとけやめとけ!お前に勉強なんて無理なんだよ〜。」
「浦飯、黙ってろや!」
「・・・馬鹿ばっかりだ。」


試験間近の桑原に勉強を教えてくれと頼まれた蔵馬はともかくなぜか他の2人も集合。
飛影は蔵馬と最初から一緒だったから仕方ない。
なぜ浦飯まで・・・と桑原は思った。


「妖狐はね、元々普通の動物の狐が長く生きて妖力を持ったものなんです。」
「あ?」
「だから俺も元は狐だったんだ。」
「動物の?」
「そ。コンコンって鳴くあの狐。」
「・・・だっはっはっはっは!!」
「本当だよ、幽助。
俺は妖狐になって千年は生きてる。でもその前にも狐として生きてた。それも長すぎるほどにね。」
「千年+α?」
「うん。
例えばこの関が原の戦い。俺はたまたま人間界に来てて目の前で見てました。」
「はっはっは・・・・・は?」
「そしてこの応仁の乱、これも見てた。」
「・・・・・。」
「もっともっとさかのぼると・・・この時代、俺は普通に人間界の山に住んでた。」
「・・・へ・・・平安時代・・・」
「うん。ちなみに当時の俺の仲間はここに住んでた。」
「・・・794うぐいす平安京・・・」
「うん。」
「「・・・・・。」」
「だから俺が教える歴史は教科書よりも真実だよ?」
「安部清明は・・・いたのか?」
「聞きたい?」
「ぜひ!!」
「じゃぁ勉強終わってからね。」


気がつくと桑原だけでなく幽助までも教科書にかじりついていた。
それを見ながらアイスコーヒーを飲む。


「おい。」
「はい?」
「本当なのか?」
「貴方も言ってたでしょ?馬鹿とはさみは何とかって。」
「嘘なのか?」
「どっちでしょう?」
「・・・どっちなんだ。」
「俺との年の差、そんなに気になるの?ショックだなぁ〜・・・」
「・・・・・。」


いい性格してやがる。
飛影はため息をついた。
年の差なんてどうでもいい。
俺はただ・・・


「お前が生きていた時の事を知りたい。」
「何か言いました?」
「別に。」


愛しい人の事はどんな事でも知っていたいから。


end



2005.7.25のSS。
蔵馬が歴史の先生だったらきっと歴史を好きになれたやろなぁ。
生徒が飛影の場合、ちゃんと授業になるかどうか・・・
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