御伽噺2(蔵馬メイン小説)
□旅立ちの時
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そこにあるのは静けさ。
そこに集まったのは1人2人ではないのに、誰も言葉を発さなかった。
先ほどまで誰かしらの声がしていたのに、刻一刻と近づいてくるその時を感じていた。
「幽助、俺も後で行くから。」
「蔵馬・・・おめぇ、ほんとにいいのかよ。」
「何が?」
「魔界のロミオとジュリエットになるんだろ。」
幽助の言葉に桑原や雪菜、静流、ぼたんらも顔をあげた。
そして蔵馬は小さく笑って、知ってたんですねと呟いた。
「なんだい、それ。コエンマ様、何も言ってなかったけど・・・」
「おい、浦飯・・・」
「おめぇらはなんで今日ここに来たんだよ。俺が魔界に行くから見送りって感じだろ?
桑原、おめぇどこまで知ってる?」
「どこまでって・・・おめぇが雷禅って奴のとこに行って、飛影と蔵馬も同じように魔界に・・・」
「俺の親父はもうすぐ死ぬらしいからな、あんま関係ねぇけどよ・・・」
次の言葉に、そこにいたく蔵馬以外が耳を疑った。
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