御伽噺2(蔵馬メイン小説)

□約束の夜
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月が綺麗な夜。

空は澄み、星は輝き、血生臭い風が生温さを肌に残していく夜。

数時間前に肉塊に変えてやった妖怪達の血を冷たい水で流す。

湖面はゆらゆらと紅に染まり、そこに映った月も薄い紅に塗られていく。

肌にはりつく髪がうっとおしくて、一気に鼻の位置まで沈めると、一面に俺の銀色が広がった。


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