御伽噺2(蔵馬メイン小説)
□今を生きる
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トッ・・・という軽い音が蔵馬を現実に引き戻した。
ゆっくり瞼を開くと彼も自分を見ていた。
「おかえりなさい。」
「・・・・・。」
返事はない。
しかしスタスタと近づいてきたかと思うと、蔵馬が寝ているベッドに座った。
スプリングが軋む。
飛影はじっと蔵馬を見つめる。
「どうしました?」
「・・・貴様が弱いからだ。」
「すいません。」
「痛むか?」
「少しね。でもだいぶ楽になりましたよ。」
憎まれ口をたたいた後に優しい言葉。
憎まれ口はそれを言う為の布石。
不器用な彼なりの方法。
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