御伽噺1(蔵馬メイン小説)

□想ヒ全テヲ貴方ニ捧グ。第五章
1ページ/7ページ

「蔵馬が見つかった!?」
「いえ、まだ蔵馬様と決まったわけではないのですが、ここから東にある髏骨の山にある洞窟でそれらしき者を見たとの目撃情報がありました。」
「なんでもその妖怪が怪我の治療の為に訪れたそこに、紅の髪の妖怪がいたと・・・それが蔵馬様の特徴に合うのです。」
「そして、そこに住む医者こそが良狂なのです。」


・・・やはり。
報酬が妖狐のサンプルなど嘘だったか。
蔵馬め・・・俺達に言わずに良狂と契約しやがって。
一体何を望まれたんだ。


「・・・俺が行く。」
「躯様!?」
「元はといえば飛影が怪我をしたのは上司である俺の責任だ。
直接会って蔵馬を返すよう交渉してみよう。」
「では案内を・・・」
「あぁ、頼む。あと、この事はまだ飛影には言うな。」


嫌な予感がする。
恐らく蔵馬に間違いないだろう。
だがこの感じはなんだ?
見つかったのに・・・まだ何かあるような・・・


「飛影に・・・言わないのですか?」
「・・・あいつにはまだ言ってはいけない。全てをこの目で確認するまで。」
「しかし、飛影が蔵馬様の事を一番探しています!」
「わかっている!!
だが・・・嫌な予感がするんだ。」


下手したら・・・取り返しのつかない事になる・・・
そんな気がするんだ。




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ