御伽噺1(蔵馬メイン小説)

□想ヒ全テヲ貴方ニ捧グ。第三章
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「しかし良かったな〜、良狂を蔵馬が見つけてきてくれて!」


躯の部屋で三人がゆったりと時を過ごしていた。
飛影の容態も回復に向かい、一気に力が抜けたのだ。


「・・・・・。」
「手術も成功したって言うし、これで飛影も安心だ!
あいつ目が覚めたら一発殴ってやる!心配かけやがって!」
「・・・・・。」
「躯様?どうかされましたか?」
「どうした?躯。」


しかし一人だけ何か引っかかった顔をしている躯に気づき、幽助が覗き込んだ。
するとゆっくり躯が口を開いた。


「時雨・・・お前はともかく、普通の医者はどんな報酬を求める?」
「・・・と言いますと?」
「飛影の手術はかなり難しかったはずだ。だがあいつはこう言った。
『報酬は蔵馬に貰うからいい』とな。」


結論を言わない躯に、単純な幽助は食いついた。
躯が何に対して不審を抱いているのか、何が腑に落ちないのかわからなかった。



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