御伽噺2(蔵馬メイン小説)
□旅立ちの時
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「・・・俺は・・・黄泉の元へ行く。」
そう蔵馬が返す。
おそらくそれも二度目の言葉なのだろう。
飛影は俯いて小さく笑った。
「ほんとにそれでいいのかい!?
だって・・・今まで一緒に戦ってきた仲間で・・・何よりあんた達は・・・」
「せっかく思いが通じたのに・・・」
「飛影さん・・・」
黙って聞いていた女性陣が次々とたたみかけるように二人に詰め寄った。
雪菜は目に涙を浮かべていた。
「頑固なんだよ、こいつは。」
「長生きすれば誰でもそうなるんです。」
「蔵馬・・・」
「黄泉には借りがあるんですよ。」
「・・・こいつには守らねばならん者がいる。」
飛影のその言葉に驚いたのは他の誰でもない蔵馬だった。
「魔界を掌握しようとする奴だ。おそらく汚い手も使だろうさ。
俺がお前にしたようにな。」
「最初に会った時か。お前、蛍子人質にとったもんな。」
今では笑い話だと言うように幽助が笑う。
飛影の表情は揺るがなかった。
それを消してしまえる程の絆が今はある。
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