御伽噺2(蔵馬メイン小説)

□旅立ちの時
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「それ・・・ほんとなの?」
「おい、まじかよ。」
「あぁ・・・蔵馬と飛影は敵対する。」

目を閉じてその言葉を聞いていた蔵馬に皆表情で問いかける。
目を開けた時、そこにはまっすぐ自分を見る幽助がいた。

「ちゃんと話したのか?あいつと・・・」
「話すも何も、言霊を一緒に見たからね。
飛影には躯から、俺には黄泉から・・・雷禅が死んだら一斉に黄泉に総攻撃をしかけると躯は言っていたよ。」
「ほれ見ろ。やっぱ敵同士じゃん。」
「・・・いるんでしょ。」

幽助と逆方向の大きな椎の木に向かって蔵馬は微笑んだ。
軽やかに降り立ったのは躯のおめがねに叶った人物。

「飛影、お前はいいのか?」
「こいつはこう見えて頑固なんだ。決めたら俺がなんと言おうと動かん。」
「なんて言ったんだよ?」
「なぜお前らに聞かれないと・・・」

なぜお前らに聞かれないといけないんだ。
そう言おうとしたが、なぜか言葉は続かず・・・

「俺と一緒に来い。」

飛影は蔵馬に向かって二度目であろうその言葉を口にした。


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