NARUTO

□帰郷
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服を脱がすときも、素肌に触れたときも、ナナは恐怖に体を震わせた。
その度に、カカシは大丈夫、と声をかけて優しく背中を撫でた。
触れられるほど、体は火照って、ナナの声も甘くなっていく。

「まだ怖い?」
「…少し。でも、あんたが触ってるって思えば…まだ大丈夫」

その言葉に安心して、カカシはナナに胸に唇を寄せた。それから少しずつキスする場所を下の方にずらして、腹筋のほどよくついたお腹にキスを落としながら、ズボンに手をかけた。

「ッ…」
「ナナ、ここ…舐めていい?」
「…っ…歯、立てたら殺す」
「ん、気を付けるよ」

ナナの初めて見る部分。というよりは他人の下半身など間近で見ることなどない。初めてだった。
しかし、ナナのものだから嫌な気はしなかった。異常だ、とはわかっている。そんなところに口を付けられるのだから。

「っぁ…」

初めて、ナナの顔が変わった。

「気持ち良かった?」
「ん…悪くは、ない…っ」

強がるナナの返答にカカシは微笑むと、更に咥え込んだ。根元まで咥えて、吸って、圧迫する。それに合わせてナナの息遣いが荒くなり始めた。

「はぁっ…ぅあ、あっ」

前のめりになって、カカシの頭にしがみ付く。そうでもしないと快感でどうにかなってしまいそうだった。

「あ、あっ…カカシ、も…ダメっ」
「ん…」
「口っ!ぁ、あっ、放せって…!ぁあッ」

ナナの手は更にカカシの髪の毛を掴んだ。足の先まで快感で痺れて、感覚がおかしくなっていく。カカシは更に強く吸うと、放たれたナナの精液を飲み干した。
苦い。飲まなきゃ良かった、と少し後悔。

「ばっ…!バカか、あんたっ!」
「あぁ、ナナのこととなるとオレはバカになるかもな」
「…っは、あんた…ほんとバカだ」
「気持ち良かったか?」

まだ整わない息を肩でしながら、ナナは小さく頷いた。
明らかに気持ちよくて変な声を出したことを思い出して、ナナはやる前より赤くなって恥ずかしそうにしている。それを見て、カカシは立ち上がるとナナの頭に手をのせた。

「ありがとな、ナナ」
「え?…あ、終わりで…いいのか?」
「ん、ナナが帰ってきたら…その時は、最後までやらせて欲しい」

それとも、今して欲しい?と明らかに狙ったような口調で言うカカシに、ナナは当然嫌な顔をして睨みつけた。

「調子のんな」
「ごめんね」

あとは、寝て起きれば翌日になる。ナナとの当分の分かれは近づいていた。それでも、カカシにもう不安はなかった。



・・・



その日は来た。
木ノ葉の里に来たときに通った門を今度は内側から見ていることに少し不思議に感じる。いつの間に、こんなにここに愛着がわいたのだろう。

じ、と下から眺めていると、ナナは後ろから名前を呼ばれた気がして振り返った。

「ナナ!」
「ナナさん!どうして言ってくれなかったんですか…!」

ナルトと、サクラだった。二人は相当急いで来たらしく、目の前まで来ると膝に手をついて呼吸を荒くしている。

「…なんで」
「カカシ先生に聞いたんだってばよ!」
「ナナさん、暫く五色に帰るって…」

あの野郎。そう思ったのも束の間、目の前の二人の顔を見たら何も考えることなど出来なくなった。

「ナナ、ぜってー帰って来いよ!そんで、勝負する!約束!」
「ナナさん、いってらっしゃい!」

二人の笑顔はとても眩しくて、それが自分に向けられているということが堪らなく嬉しかった。

「…あぁ」

なんだか気恥ずかしくて背を向けて歩き出そうとすると、再び後ろから、今度は何か飛んできた。思わずそれを手に取るとそれは。

「…むすび飯?」
「五色、遠いんだろ。途中で食え」

ナルトとサクラとは少し離れた後ろの方に、サスケの姿。
少し恥ずかしそうに顔をそらして目だけをこちらに向けているサスケ。ナルトとサクラも驚いたようだった。

ナナもまさか、サスケまでわざわざ現れるとは思っていなくて、胸が暖かくなる。

「お前ら…ホント、大好きだよ」

自然に漏れた言葉に、ナルトたち三人は目を丸くして、それからまた満面の笑顔が咲き誇った。

「さっさと行けってばよ!」
「あぁ、またな」

このまま留まっても離れ難くなるだけだと思い、ナナは振り向かずに歩き出した。
五色までは飛ばしても二日はかかる。でも、ゆっくりでいいかな。

ナナは一人、渡されたおにぎりを見て微笑んでいた。



(終)


あとがき
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