黒色の書庫
□小話集
3ページ/7ページ
『焦焔』
ざしゅ ぐちゃり
空が黒い
ぐちゃり ぼちゃ
木が黒い
べちゃり ぼたっ
大地が、くろい
いつの頃だろう
戦が終わった後に見る場所がこういう風に見えてきたのは
槍を握る両の手に生暖かいモノを感じて、見る
刃が赤い
手が赤い
そういえば、初めて戦に出てきた時からこれだけは紅かった
もう一度見た空はひび割れた黒色
もう一度見た木々は乾き生き絶えた黒色
もう一度見た大地は血も涙もないクロイロ
→
次へ
←
前へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ