Novel
□電話越しのあなたの声
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『どうしたの?こんな時間に電話なんて』
こんな時間、か…。
もうよいこは夢を見る時間ですもんね。
「……ったから、」
『ん?もっかい言って?』
「…ひまだったから、電話した」
我ながら分かりやすい嘘だなぁと思う。
こんな時間なんだし、
ひまなら寝りゃいいじゃんって話でしょ。
それでも、なんだか眠くなくて。
一人になりたくなくて。
そしたらさ、
こいつの顔が真っ先に浮かんできて。
『ふふ、そっかぁ』
「…笑うなよ、」
『嬉しいよ?
暇だからーつって、電話してくれて』
「…なんで?」
この人の言うことはたまに分からない。
まぁ基本バカだからあれだけど。
『だって暇でなんもすることない時にさ、
俺のこと、思い出してくれたんでしょ?
そのことがすっごく嬉しいの!』
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