Novel

□お手をどうぞ、王子さま!
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スタジオに向かう階段の途中。

「おわっ」と危なっかい声が降ってきて少し上を見ると、
リーダーが片足立ちで松潤に怒られていて。

俺の目の前にはかかとの部分が踏んづけられたリーダーの靴がありました。


「だからいつも言ってんじゃん、ちゃんと履いて歩けって」
「…うー、ごめんって。次はちゃんと履いて歩くから」
「そう言ってもう何回目?」
「…に、かいめ?」
「…はぁ、残念5回目」


もうどっちが年上か分からないような会話。
ニノはニヤニヤ顔で、翔ちゃんは微笑ましげにその会話を見守っている。


…あっ、くつ!
距離を詰めるために靴を持って階段を2、3段上り、しゃがみこんでリーダーの靴を足元に置いてあげた。


「リーダー!はいどうぞっ!」
ん?なんかみんな目をパチパチさせてる?


「…えと、可愛いお姫様じゃなくてごめんね?」
「へ?」


あ、確かにシチュエーション的にはこの靴がガラスの靴でリーダーがお姫様だとしっくりくるよね。

まぁでも…、


「たまにはかっこよくて可愛い王子様とお調子者の王子様の物語があっても面白くていいんじゃない?」


今度は呆れたようにため息をついてリーダー以外の3人は先に行ってしまった。

あ、相変わらず翔ちゃんだけは微笑んだままだったけど。


「ふふ、それもそうだね」


リーダーは嬉しそうにふわりと笑って。
つられて俺もなんだか幸せな気持ちになった。


お手をどうぞ、子さま!
 僕らの物語は、まだ始まったばかり。


※ちなみに付き合ってません。

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