Novel

□ずっとずっと、大好きでした。
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「…ねぇ、翔さん」


俺と翔さん、二人しかいない楽屋で
俺の声が空気を震わせる。


「どうした?」


そしたら翔さんは読んでいた新聞を畳んで
俺のほうを向き、話を聞く体勢に入る。

きっとこういうところが、
あの人の心を捉えたのだろう。

心の中でそう思っていると、
翔さんがもう一度俺に声を掛ける。


「ニノ…?」

「翔さん、おれ…大野さんが好きです」


翔さんの反応を見るのが怖くて、
思わず顔を伏せて話を続ける。


「あなたの恋人だってことは、
 ちゃんと分かってるんです。

 それにあなたから大野さんを、
 奪おうなんて考えてる訳じゃない。

 あなたと大野さんがお似合いなのは、
 俺が一番分かってるつもりだから…。」


語尾がどんどん小さくなっていく。
その間、翔さんは一言も発しなかった。


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