Novel

□あなたの温度。
1ページ/3ページ


バレンタイン編のこちらの続編です。



ココアを渡した日から1ヶ月が経った。
モテ男はお返しに困る、ホワイトデー。

あの日からも、
相葉さんはなんら変わりなく。

やっぱり気づかなかったのかって。

安心したような、少し切ないような。
複雑な気持ちのまま今日に至る。


今日は嵐にしやがれの収録。

いつも通り時間に余裕を持って、
少し早めに楽屋入りする俺。

そんな俺よりも早く、
楽屋入りしていた人物がいた。

できれば二人きりにはなりたくなかった。


「おはよう、松潤」

「…おはよ、相葉さん」


まさか相葉さんが一番乗りだったとは…。
俺的にはすげぇ気まずいんだけど。

そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、
にこにこ笑って話し出した相葉さん。


「松潤にね、渡したいものがあるの」

「え?…あぁ、なに?」

「はい、これっ!」


そう言って渡されたのは、
可愛らしい一輪の白い花だった。


「相葉さん?なにこれ…」

「これはね、デイジーって花なの」

「…うん、」

「この花の花言葉、知ってる?」


生憎俺は男だから、
そこまで花に興味はない。

知っててもバラの花言葉くらいだ。


「いや、知らない」

「デイジーの花言葉はね…、」


そこまで言うと、
なぜか俺に近づいてくる相葉さん。


「あいばさ…」

ちゅっ

「“あなたと同じ気持ちです”」

「…っ、え?」


俺の頭がついてこない。
相葉さんに唇にキスされて、それで…。


「俺も、松潤がすき」

「…っ、うそだ」

「嘘じゃないよ?ずっと好きだった
 今まで待たせちゃってごめんね……」


相葉さんに抱き寄せられて、
頭を撫でられたら涙が止まらなくなった。

ずっとこうなることを夢見てた。


気づいてくれて、ありがとう。






あなたの度。
恋い焦がれていたあなたの温度は、
思っていたよりしく、地よかった。



                 END.

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ