Novel
□以心伝心。
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「ねぇ、オジサーン」
「んー?なに、にの」
「これからメシ、行きません?」
「んー、今日はちょっとだめだわ」
「なんでですかー」
いつもなんだかんだ理由をつけて、
メシに付き合ってくれない大野さん。
前ほどは誘ってないんだから、
たまには快く頷いてくださいよ。
「んー、なんでも」
「意味分かんないよ、あんた」
ほんとに気まぐれつーか、なんつーか。
この人をちゃんと扱える人なんて、
この世に存在するのかしら。
「じゃあねぇ、当てれたら行く」
「…何を、ですか?」
あんたもう32歳のいいオジサンなんだから
主語くらいつけて喋ってくださいよ(笑)
「あのね、おいらが今食いたいもの」
「オジサンが今食べたいもの、ねぇ…」
どうせカレーとか魚系でしょ?
……、受けて立とうじゃないの。
「じゃあ今オジサンが食べたいもの、
俺にメールしといて?」
「…?、なんで?」
「あとで変えらんないように」
「そんなことしねぇよぉー」
「いいからいいから」
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