Novel
□りんご症候群。
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「なんか面白いこと、ないのー？」
「んー…、あ、じゃあしりとりしよ？」
「えー、しりとり？」
「…だめ？」
無意識なんだろうけど、
ほんとにこの人の仕草はずるい。
俺がこの表情に弱いって知ってて、
やってんのかなって思っちゃうくらい。
「だめじゃないですよ、やりましょ」
「うん！じゃあおいらからね」
途端にぱぁっと表情が輝くおじさん。
ほんとに可愛いんだから。
「しりとり、…りんご！」
「ごーま」
「ま、ま、まぐろ！」
基本的に言葉遊びが苦手なおじさん。
言い出しっぺの癖に、
もうすでに言葉に詰まってるんですが。
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