Novel
□寂しい夜には。
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「智くん…?」
「なぁに?」
脳に響く甘い声。
やばいなぁ…、この声と距離。
そりゃ俺だって男だし…、
ましてや好きな人とこの近距離っ!!
そういう気分にならないほうが
おかしいでしょ!!!
「しょーくん…?」
不安そうな瞳でこちらを見つめる智くん。
「ねぇ、智くん…キス、していい?」
「…そんなの、いちいち聞くなよっ」
一気に頬を赤く染める智くん。
「ははっ、ごめん」
智くんの赤くなった頬に手を添える。
ピクッと反応して目を閉じる智くんに、
ほんの一瞬、触れるだけのキスをした。
目を開けると、
相変わらず赤い頬をした智くんがいて。
ぎゅっと抱きしめると、
首に回った智くんの手に少し力が入って。