Novel
□あなたの幸せ
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今は雑誌の撮影の待ち時間。
翔さんと相葉さんと潤くんが先に撮影。
大野さんと俺は楽屋で待機。
肩が触れるほどの距離でソファーに座る。
大野さんは釣り雑誌を、
俺は俺でゲームをしていていつも通り。
違う所といえば…
今日の大野さんはいつもと違って
少しだけおしゃべりってことぐらいかな。
…“少しだけ”ですからね?
まぁその理由も大方検討ついてますけど。
o:聞いて〜にのぉ
n:聞いてますよ、オジサン。
どうかしたんですか?
分かってるけど一応聞いてあげますよ。
o:今日は翔くんと二人で
飲みに行く約束してんだぁ
…やっぱりね。
あなたがそういう顔をするときは
大抵翔さんが絡んでますからね。
n:へぇ…よかったじゃないですか。
o:久しぶりだから
めちゃくちゃ楽しみなんだよぉ♪
俺が100万回誘っても一度だって
首を縦に振ってくれなかったのに…。
翔さんに誘われたら、
そんなに嬉しそうな顔するんですね…。
n:終電には間に合うように
帰んなさいよ?
o:翔くんが送ってくれるって
言ってたから大丈夫だよ♪
にのは本当に心配性だなぁ
そんなの…、
あなた限定に決まってんじゃないですか。
心の中でいろいろ文句を言いながらも
ちゃんと話を聞くのは…、
あなたとこうやって話せなくなるよりは
まだ少しだけマシだと思えるから…
だから…もう少しだけ。
もう少しだけ俺の側にいてください……
釣りの話だって翔さんの話だって
何だって聞きますから……、
気付けばゲームの中の赤い帽子の
オジサンは消えていて、代わりに
"ゲームオーバー"の文字が浮かんでいた。