Novel
□あなたの幸せ
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本当のことを言うと。
ついこの間までは俺にも勝ち目があると
思ってたんですよね。
だって相手は翔さんですから?
同性の大野さんを好きになることなんて
絶対にないと思ってたんですよね。
…でも最近、気付いちゃったんですよ。
……大野さんを目で追っている翔さんに。
ついに翔さんも
大野さんの魅力に気付いたんですか…
遅いんですよ!
こういう分野はとことん鈍いんだから!
……とか心の中で毒づきながら、
本人ですら気付いていなかったような…、
そんなすごく小さな恋心に
何年も前から気付いていた自分を呪った。