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□ないものねだり
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貴方が好きです。
ないものねだり
金色の髪に青い瞳
常に白スーツ
気持ち悪いくらいの潔癖症
全部全部好きなんです。
貴方は私を愛してくれます。
けれどもそれは、
私が求めるものではないのです。
私は貴方を愛しています。
きっとそれは、
貴方が私を思うよりずっとずっと深く、醜いものでしょう。
私は貴方が欲しいのです。
貴方の全てが欲しいのです。
私が愛を伝えれば、
貴方は少し照れたように笑うのでしょう。
ほら、そうやって、俺もだよと返すのでしょう。
貴方は何も知らない。
何も知らずに愛を云う。
ああどうか、そんな顔をして笑わないで。
私は醜いのです。
貴方が思うよりずっと。
期待してしまう。
貴方も私を愛しているのかと、
私と同じところまで堕ちたのかと。
そんなこと、あり得るはずがないのに。
あり得てはいけないのに。
こんなことを思うのは、私だけで良いのに。
何度この気持ちを打ち明けようと思ったか!!
けれどそれは無理な話で、
もしこの気持ちを打ち明けたなら、
私は貴方からの多くのものを失うでしょう。
私にだけ向けられるその目も。
私に触れるこの優しい手も。
そして絶対的な絆さえも。
失いたくないのです。
嗚呼、けれど
やはり私は貴方が欲しい。
好きです。好きです。愛しています。
私の私だけの大切な、
お兄様
(嗚呼、どうしても届かない。こんなにも近くにいるのに。)
◇◆◇◆◇◆
兄であるバジルを好きになった妹の話。
バジルは妹の事を愛してるけど、
それは兄弟愛であって恋愛感情ではない。
妹はバジルの全てが欲しいから、
家族だからこそ手に入るバジルの感情手放したくない。