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□しあわせのつめあと
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きれいなものがすきです。
うつくしいものがすきです。
かわいいものがすきです。
でも、かあさまと、とうさまはもっとすきです。
かあさまはおやさしいです。
とうさまもおやさしいです。
おふたりはいつもニコニコわらっていらっしゃいます。
わたしはおふたりがだいすきです。
しあわせのつめあと
きょうはひさしぶりにとうさまと、かあさまとおでかけします。
とっておきのおようふく。
ひさしぶりにおでかけするんですもの。
きれいなかっこうでおでかけしたいんです。
お外にでると、お空がどんよりとくもっています。
雨がふりそうです。
わたしは雨がきらいです。
なにか、いやなことがおきそう。
なんだか大きな、おやしきにつきました。
かあさまと、とうさまは
「此処で待っていなさい。」
といわれ、どこかにいってしまいました。
?
ドアのすきまから
カナリアのようなかみの毛と、サファイアみたいな瞳がのぞいています。
なんでしょう?
ちょっとのぞいてみましょう。
「うわぁっ!!!?」
「!?」
び、びっくりしました。
おとなりのおへやをのぞいたら、
わたしと同じとしくらいの男の子の顔があったんですもの。
…大きな声を出してしまいました。
ちゃんと、ごあいさつしなくてはいけませんね。
…さきほどから、男の子はずっと下を向いていらっしゃって怖いです。
えっと、ごあいさつするときはニッコリと、
でしたよね。
「こんにちは。」
「…こんにちは。」
ちゃんと、あいさつを返してくれました!!
よく見てみると、恥ずかしいのか耳まで真っ赤になっています。
きっといい子なんですね!!
「…これ、やる…。」
男の子はグッと手をつきだしてきました。
手の中にはきれいなリボンがにぎられています。
なぜわたしにくださるのでしょうか?
「これは…?なぜわたしに?」
「…アンタが、おれを知らなくても、
おれは、アンタのこと、知ってるから…。
アンタ、スキャッグス家の領土の金持ちだろ?」
「!?」
な、なぜこの方は私のことを知っていらっしゃるのでしょう…?
「その…い、いつも見てるから…」
も、もしかして世に言う、“すとーかー”でしょうか!?
すとーかーは女の方を付きまとうと聞きます。
ねらいは、かあさまですね!?
かあさまはわたしが守ります!!
「かあさまには指いっぽんふれさせません!!」
「はぁ!?」
「えいっ!えいっ!」
わたしはすとーかーをポカポカとなぐりました。
「え、ちょ、やめっ!」
すとーかーがわたしの手首をつかんできました。
「はなしてくださいっ!!」
いちじかんが、たちました。
さんじかんが