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□好きだ、なんて
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「なぁ、バジル。」
「な、なんだ。」
びっくりした。
いきなり、あいつが俺に覆いかぶさるようにして話し掛けてきた。
逆光でよく見えないが、眉を寄せ怒っているようにも見える。
「俺のこと、どう思う?」
…何を、こいつ、は言っているのだろう。
そんな、唐突に。
どう、ってなんだよ。
なんて、言えばいいんだよ。
そんな、急に、答えられるわけ、ない、だ、ろ。
「ぁ…」
静寂の中、
赤い髪と十字架のピアスが揺れている。
頭の中がぐちゃぐちゃになる。
何かいわないと、
きっと、嫌われる。
嫌われちまう。
「…わりぃ、変なこと聞いて。」
ウォルターが俺に背を向ける。
ヤバい、ヤバい、行ってしまう。
行くな、いくな、いく、な。