短編集
□神の子VS皇帝
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「精市の居場所わかんない……」
本格的に迷子になったようです、マジか。これだから広い会場は……
「おい、ガキ。そこで何してる」
「(ピクッ)……ガキ…?」
「お前のことだ。ここは選ばれた奴ら以外来ることは許されていないぞ」
あ、何か言い方ムカつく
こういう時ってさ、やっぱり咬み殺すに限るよね。持っていたラケットバッグから取り出して右手首にリストバンドを嵌める
「僕がテニスで勝ったら、中学生のいる場所、教えてよ」
「いいぜ、そんな口答えできねぇようにしてやる」
「あんまり嘗めないほうがいいよ、高校生さん」
伊達に神の子の弟はしていないよ
さぁ、始めようか。捩じ伏せてあげよう。僕の前に立つことは身内以外許さないよ
バタッ…
「ねぇ、まだ終わってないよ」
「(なんだ、この恐怖は……ただの中学生だろ、何を怖がる必要がある…)」
「……興ざめだ。居場所は自分で探すことにするよ」
ラケットを弄びながらコートから出ていくと後ろから声が響き渡る
「ま、待て!お前の名前を教えてくれ!」
「もう勝負することはないだろうけど…教えてあげるよ
幸村恭弥、立海大付属二年でテニス部マネージャーやってる。じゃ」
もう呼び止める声もなく精市の姿探しを再会する
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