汎神論

□少年の旅立ち
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「今日の勉強は何かな?」

「勉強もいいけどやっぱり運動しようぜ」

「なぁなぁ、大きくなったら何をする?」

「俺は強くなって俺たちみたいな子供を助けてやるんだ!」

「私はお料理を覚えて貧しい子達に分けてあげるー!ねぇねぇ、ミコトは?」


子供達が一軒家のリビングで騒いでいる中、本を読んでいたミコトと呼ばれた男の子が近くに積み重なっていた本から一冊手に取って大事そうに抱えた


「…僕は、医者になりたい。怪我した人をいっぱい助ける
でも、アラウディ様と恭弥様の子どもになりたい」


「うわぁ、いいなぁ!私も子どもになりたーい!」


「ミコトだけずりぃよ!俺もー!」

「えっ、えっ…でも、なれないよ…。だから、お医者さんになったら恭弥様のお手伝いできるかな、って」


「ミコト、頭いいからねー」


ピーンポーン!!


「はーい」


ガチャ…とドアノブが開かれて現れた黒髪とブロンドヘアーによってその場の子供達全員の顔が一瞬で笑顔に変わる


「「「恭弥様!!」」」


「やぁ、みんな元気だったかい」


「はい!アラウディ様、Ciao!」


「Ciao、イオリ」


アラウディが抱きついてきた女の子を軽々と抱き上げるときゃっきゃっと騒ぐ
その一方で本を握りしめていたミコトに近づいて恭弥はその小さな頭を撫でる


「ミコト…新しい名前をあげる」


「えっ、」


「…戸籍上は八雲の苗字。でも、君自身には諏訪尊の名前を」


「!すげぇな、ミコト!恭弥様がお前を認めたんだ!」


「きょ、恭弥様…僕はまだ恭弥様の望むような……」


「ミコト、そんなに自分を過小評価しない方がいいよ。君には素質があるんだから

僕達と来るのは嫌かい?」


その問いにミコトは首をふるふると横に何度も振ると恭弥は頭を撫でていた手を離して右手をミコトへと伸ばす


「僕達を手伝ってくれないかい、諏訪尊」


「!…はい!頑張ります…!!」



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