すべてが終わってしまう前に
□ダブルデート、決行!
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「高尾、どうするの?」
「雲雀は絶叫系とかいける感じ?」
「いけるよ。そういえば、ここって確か日本一の木製ジェットコースターがあるんだっけ」
「そーそー。真ちゃんってば、絶叫系無理だから一緒に乗る人探してたんだよ。ってことで、いかね?」
「いいよ」
遊園地のガイドブックを見ながら雲雀と高尾が行きたい候補をあげていく後ろで黄瀬はデレデレと雲雀を、緑間は無表情のまま高尾をそれぞれが自身の恋人を見ていた
「雲雀っち、可愛いっスねー」
「ふん、馬鹿を言うな。高尾も小動物みたいで愛らしいのだよ
今日は髪をアップにしているからか、尚可愛らしい」
「雲雀っちなんて普段学ランしか着ないっスから私服が新鮮で似合ってるっスよ。あ、あと料理が上手いんス!」
「む。高尾も料理の腕は凄いぞ。特に洋食に関してはプロ並みだ」
「雲雀っちはお菓子作りも上手いっス!」
「甘いな。高尾は和菓子も作れるのだよ」
一向に恋人自慢が収まる気配のない二人に赤面する顔を掌で覆いながら高尾と雲雀は声をあげる
「「二人ともやめて!!聞いてるこっちが恥ずかしいんだけど!」」
「好きな奴の自慢をして何が悪いのだよ」
「そうっスよ。好きな子のいい所言って何か駄目なんスか」
真顔で答える緑間と黄瀬に雲雀達は大きくため息をついてからスタスタと早足で歩いていく
「……もういい…。涼太に聞いた僕が悪かった」
「うん…ごめんよ、真ちゃん。俺、ついてけねーわ」
彼らを追いかけてガバッと、自身の恋人に抱きついた黄瀬達は涙目に訴えた
「「!!別れるとか言わないで欲しい(っス/のだよ)!!」」
「何でそうなるの!?」
「…誰が別れるって言ったのさ。涼太と別れるわけないじゃん」
「俺が真ちゃん以外と付き合うとかあり得ねーっつーの!」
宥めるように黄瀬の頭を撫でる雲雀と
真剣な表情の緑間を落ち着かせるように笑った高尾に黄瀬達は更に強く抱きしめていた
行き交う人々が騒がしかったのはまた別の話…