すべてが終わってしまう前に

□ダブルデート、決行!
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「おー、お待たせー!」


待ち合わせ場所に指定していた場所に雲雀は座っているとカジュアルな服装に身を包んだ高尾が駆け寄っていく。歩きながら緑間が雲雀を視界に捉えると声をあげた


「!?高尾!何で雲雀がいるのだよ!」


「えー、ダブルデートって言ったじゃん」


「聞いてないのだよ!」


「涼太が少し遅れるってさ」


「黄瀬まで来るとは…俺は帰るぞ」


「ほらほら真ちゃん、先輩として後輩に教えてあげなくちゃなんねーだろ?」


「先輩?何を言っている、高尾。雲雀とは同学年だ」


嘲笑うような緑間の視線に高尾は違う違う、と手を振った後雲雀を抱き寄せた


「雲雀、一回もデートしたことないんだってよー。だから俺らのがデートに関しては先輩ってこと」


「黄瀬としたことなかったのか?もう付き合って一年だろう」


「……だって、そんな勇気無いし…デートに誘おうとしたら涼太がちょっと距離置くし…嫌われてるのかな……」


「まったく、お前らは昔から面倒なのだよ。……黄瀬はお前のことを嫌っていない。寧ろ、煩いくらいだ」


「は?」


「そういうことは本人に直接聞くんだな」


緑間が一瞥した先には息を乱しながら
走ってくる黄瀬。雲雀の姿を見つけた彼は思いっきり飛び込んだ


「恭弥っちィィィィ!!!」


「煩い!いきなり飛び込んでくる馬鹿がいるか!」


「可愛いっス!あ、あと…その、今日誘ってくれて嬉しかったっス」


「…嫌じゃないの?」


「はっ?…何でそんなこと聞くんスか?」


「だって…前に誘った時、しばらく話をしなかったし…」


「あー…。あれは、ただ緊張しちゃって…今でも緊張してるんスけど、このまま進まなかったら嫌っスから」


「ぷっ。一人で悩んでた僕が馬鹿みたいじゃない」


雲雀から離れて頬をかきながら苦笑いする黄瀬に雲雀は小さく吹き出すと微笑んだ


「真ちゃん、知ってたんだ」


「……いつも会うたびに雲雀雲雀煩いからな」


「じゃ、ダブルデート決行!」


「へっ?ダブルデートってどういうことっスか?」


「昨日電話で言ったじゃん、緑間達とダブルデートって」


「……多分、緊張してて頭が真っ白になってたっス…。恭弥っちとのデートなら俺は別に構わないっスけど」


「あとは真ちゃんだけだぜ?」


ニヤニヤと緑間を見る高尾に大きく息を吐きながら眼鏡のブリッジをあげた


「…仕方ないから付き合ってやるのだよ」


「きっまりー!」



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