すべてが終わってしまう前に

□勝ってこい
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「なんだァ、テツ。お守り付きかよ」


「峰ちんにもさっちんがいるじゃん、お守り」


「さつきはカンケーねぇだろが、コラ」


「つーか緑間っち、なんでハサミとか持ってんスか?」


「ラッキーアイテムに決まっているだろう、バカめ」


「とりあえず、むき出しで持ち歩くのは危険だからやめてほしいな
……まったく、収録が立て込んでるってのに、呼び出しなんて冗談じゃない」


「お待たせしました」


「っっ!!?
(まさかっっ、【キセキの世代】全員集合ー!?)」


キセキの世代がウィンターカップの会場に集合していた所に降旗を連れた黒子がやってくる


ピリリリ…ピリリ……


「ケータイうっせーよ、黄瀬。赤司か?」


「これは…!
ファンの子から応援メールっス!」


「「死ね」」


ぐぐぐ…


「むー?あれー?開かない…
ミドチン、そのハサミ貸してよ」


「断るのだよ」


「えー?黒ちん持ってる?」


「持ってないです」


「貸して、紫原」


「んー」


菓子袋を受け取りパン、と軽く開けた雲雀は紫原に返した


「ありがとー。さすが、ヒバちん」


「どういたしまして。それにしても、遅いな」


「つーか呼び出した本人がラストってどうなんスか!?」


「いちいち目くじらを立てるな。アイツはそういう奴なのだよ」


「…ったく」


「すまない、待たせたね」


「…赤司君」


「やっと来たか……」


「大輝、涼太、真太郎、敦。そして、テツヤに恭弥……
また会えて嬉しいよ。こうやって全員揃うことができたのは実に感慨深いね
ただ…場違いな人が混じっているね。今僕が話したいのはかつての仲間だけだ。悪いが君は帰ってもらっていいかな?」


「……降旗君」


「なんだよ、つれねーな。仲間外れにすんなよ」


「あっ!!火神!!」


火神が降旗の肩に手を置いて現れたことに黒子は少し目を見開いていた


「あんたが、赤司か。会えて嬉しいぜ」


「…………」


「(どうなっても知らないよ、火神大我)」


「真太郎、ちょっとそのハサミ、借りてもいいかな?」


「?なんに、使うのだよ?」


「髪がちょっとうっとうしくてね。ちょうど、少し切りたいと思っていたんだ

まあ、その前に…火神君、だよね?」



その刹那、ビュッと赤司はハサミを突き出すと火神の頬を掠めた


「火神君!」


「…へぇ。よく避けたね
今の身のこなしに免じて今回だけは許すよ。ただし、次はない
僕が帰れと言ったら帰れ。この世は勝利がすべてだ。勝者はすべてが肯定され、敗者はすべて否定される
僕は今まであらゆることで負けたことがないし、この先もない。すべてに勝つ僕はすべて正しい


ーー僕に逆らう奴は、親でも殺す」



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