すべてが終わってしまう前に
□かっこよかったよ
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「この前、黄瀬と来たから初めまして、じゃないね。こんにちは、誠凛高校のバスケ部
確か自己紹介してなかったから、先に済まそうか。僕は並盛高校の一年、雲雀恭弥。よろしく」
「並盛高校…?」
「この誠凛と同じ、バスケ部は創部二年目、去年は成績を残していないから知らないのも無理はないだろうけど
っていうか、今はバスケ部に入ってないし
そして、中学二年の秋まで、正確にはI・H終了までは帝光」
「「「!!」」」
目を見開く誠凛のバスケ部員に見向きもせず眠る黒子の髪を撫でる雲雀
少ししてから何かを探すように周りを見回す
「そこで、黄瀬と交換条件で練習試合を見に来たんだよ。そちらの監督は?」
「私よ。相田リコ、二年生で監督をしてるわ」
「女性なんだ…」
「えぇ。ちなみにポジションは?」
「スウィングマンとポイントフォワードやってました」
「え……」
「スウィングマンだけでなく…ポイントフォワードまで…!?」
「四つのポジションを、帝光で?」
「基本、スウィングマンだけど、ポイントフォワードが必要な時はそちらも。……ところで、個人的に興味があるのが…そこの君、火神大我…」
「俺?」
「そう。君が一番黒子と仲いいらしいし、黄瀬が対抗心持ってるらしいしね」
「雲雀、雲雀……。って、あー!思い出した!!」
「カントク?」
今まで唸っていたリコが突如大声をあげたことに部員は口元を引きつらせながらもリコへと視線を向ける
「キセキの世代、彼らを纏めていた一人の少年がいたの
キセキの世代とも張り合える実力を持っている。その名前が、雲雀恭弥……
別名ーー【キセキの心臓】」
「な……っ、あのキセキの世代を纏めて…?それなら、なんでキセキの世代みたいに有名でもないんだ?しかも、二年の秋までって、そんな中途半端な……「貴方たちには関係ない」
「……じゃ、話は纏まったし、僕は黄瀬に会ってくる
無茶しちゃ駄目だよ、君はもう帝光の黒子じゃないんだから」
学ランを肩にかけて黒子の髪から手を話して部員達の前から去っていった
「…何か、気に障っちゃったのかしら……」
「……雲雀くんの前で転校の話はやめておいた方がいいと思います」
「黒子?」
「雲雀くんは過去にバスケの試合で人を殺めているんです」
それだけを告げてから再び黒子はパタン、と倒れた