紅の十字架
□年に一度の記念日
2ページ/2ページ
「神田の誕生日にあげるプレゼント?」
「「うん」」
「兄さん、確か明日は…」
「あー……やっちゃった」
相談する為にリナリーとコムイの部屋に来た雲雀とアルマ。兄妹二人の表情が固いことに疑問を浮かべる
「ごめんね、二人とも…」
「神田くんは明日、フランスでの任務が入っちゃったんだ」
「「ぇ……」」
「ユウの馬鹿馬鹿馬鹿ぁぁあぁぁ!!」
「このパッツン野郎ぉぉぉぉぉぉ!!」
「だからって何で俺が追いかけられなきゃならねェんだよ!あ゛ぁ!?」
「「ふざけんな、バ神田ぁぁあぁぁ」」
「てめぇら…!」
部屋に入った途端にありったけの家具を投げつけられ、二人に追いかけられる神田は身に覚えがないことで追いかけられて苛立っていた
一方、追いかけている本人達はといえば……
「きょきょきょきょ、恭弥!どうしようどうしようどうしよう!!」
「と、とにもかくにも、何かしなきゃ!」
「でも何も無いよ!?」
「!アルマ、前見て!」
「へっ?」
「えっ、ちょっと!?」
「うわぁ!!」
「アルマ!」
「う〜…ご、ごめんなさい……!」
「いいえ…余所見してた僕も悪いですし、って恭弥とアルマ?」
「なんだ、アレンか…」
「今回は感謝してやる、モヤシ。やっと止まりやがって…」
「アレンだって言ってんでしょ、バ神田」
「うるせェ。おい、何で俺を追いかけたんだよ」
「だだだだだって…!明日、ユウがいないって、言って…えっぐ、」
アルマは涙を溢れさせて、雲雀は申し訳なさそうに顔を俯かせた
「ユウがいないとお祝いできないから……それでいつの間にかユウを追いかけてた」
「ふざけんな」
「「ごめんなさい…」」
「ホント、意味わかんねェ…」
アレン達と別れ、神田に連れられてやってきた二人は口を開いた
「だって、いつも誕生日は三人で一緒に過ごそう、って言ったのに……っ」
「ユウがいなきゃ、意味ないって…」
「…ったく、そんなことかよ…
一度だけしか言わねぇからよく聞け」
「「…?」」
「俺はこの世に生まれて本当によかった。たまに鬱陶しくなるが、それなりにお前らとは付き合い長いし、俺のことをよく知ってるから付き合いやすいしな
だから、その…」
言葉が続かない神田に雲雀とアルマは顔を見合わせてから思い切り抱きついた
「「ユウ、大好き!!
ハッピーバースデー、ユウ。生まれてきてくれて、ありがとう!!」」
.